11.ペリー提督日本遠征記
3冊1セット、ペリーの日本への遠征の記録です。初版本(上院版)5,000部出版し、議員や政府の役人に配りました。その後下院で再版され、また1冊にまとめたものなどが出版されました。当館はいずれも所蔵していますが、初版本は日本に数冊しか無く、その貴重な一品をここに展示しています。
ペリーは日本の政治の仕組みや、動植物、地理・気候などあらゆる事を調べるために学者や記録係として画家・ハイネや写真師・ブラウンも連れてきました。下田のことも詳しく書いてあります。例えば「下田の街路は巾20フィートあり石が敷かれている。下水もあって清潔で健康的でアメリカより遙かに進んでいる」「民衆は控えめであるが快活な態度」とか「乞食を見ることが希」とか随分ほめています。ただし、公衆浴場が混浴であることはキリスト教徒の彼らには「淫蕩な人民」と映ったようです。混浴の「下田の公衆浴場の絵」はアメリカでも非常に評判になったそうですが、「卑猥な絵」と言うことで再版本からは削除されています。画家ハイネと写真師ブラウンは、多くの絵や写真を残しており、ペリー遠征記の挿絵100数十枚は彼らの作品です。