14.勘定奉行川路聖謨と大目付格筒井政憲/モジャイスキーのカメラ
この2名が全権としてロシアとの交渉に当たりました。筒井は70才を越え、老齢でしたので、実際の折衝には主として川路が当たりました。川路はプチャーチンにも信頼され優れた外交官でした。
展示の川路の肖像はディアナ号の士官モジャイスキーが川路を撮影し、これをモジャイスキーが絵にしたものです。
モジャイスキーのカメラはここに展示してあります。レンズ、絞りは実物ですが、暗箱は復元してあります。モジャイスキーはこのカメラで日本の風景を撮影し21枚の絵を残していますがそのうち15枚は下田の風景です。
このカメラは銀版写真と言って銀の板に鏡に映るように映像を残します。左右逆になり、フイルムのように複写はできず、1枚のみの写真になります。
銀版は貴重なのでモジャイスキーは写真を写すとそれを得意な絵に描き写し、銀版は磨いて薬を塗り、また使ったようです。
なお、ペリー艦隊の写真師ブラウンも銀版写真ですが、彼は数百枚の銀版を持ってきたようで、写真のままアメリカに持ち帰りましたが、ペリー遠征記を出版した後、火事で焼けてしまって現在は残っていないとのことです。